ジャム
「……甘い匂いがする」
彼女が扉を開けた瞬間、甘い香りが漂ってきた。
「?」
横になっていた身体を上半身だけ起こして、彼女を招き寄せた。
「いちごと、オレンジ……あと、リンゴ……か?」
「すごいね! おやつにクレープを作ったの。ジャムも一緒に作ったんだよ」
「手伝ったのか?」
「うん」
まだ眠気の残る頭で腕を伸ばして、彼女の髪を撫でる。
甘い香りが心地よい。また眠気が落ちてくる。
「寝ちゃダメだよー。おやつ食べないの?」
眠気を無理やりふりきり、起きあがる。
「せっかくポエットが作ってくれたんだ。頂くよ」
「じゃあ、早く行かなきゃ。冷めちゃうよ」
小さな手にひかれ、私は部屋を後にした。
end
元々はweb拍手お礼用だったものです。
けれど、4本しかネタが出来なかったので、こちらでお目見え。
2005/09/14