うたたね




 大きな窓を開け放ち、太陽の光とやわらかな風を部屋へ招き入れる。



 窓から離れた位置にあるソファに座り、昨日書き上げた詞を眺める。
 まだ何か足りない。そんな感じがするが、まずまずの出来であろう。足りない「何か」は仲間達に見せれば解決すると思う。





 穏やかな陽の光。
 静かにカーテンを揺らす風。





 彼女が訪れるのはいつもこんな日。
 太陽の光をその身に抱いて、闇を纏った自分に会いに来る。
 だから、苦手だった陽の光も……それなりに大丈夫になった。





 身体をソファに預け、窓の外を見る。
 陽のせいで部屋の温度が少し上がったような気がする。



 ……うとうとする。
 昨日はほとんど寝ていない。
 このまま目を閉じたら……彼女に会えない。
 あぁ……それでも……。





* * * * *





「あれ? ドア開いてるッス」

 微かに開いた部屋のドア。音を立てないように静かに開ける。
 そこには、寄り添って座るふたつの影。
 誰と誰のものかはすぐにわかった。
 話し声は聞こえない。ゆっくりと近づくと……。

「……寝てるんすか」

 そこには肩を寄せ合って幸せそうに眠るユーリとポエットがいた。
 起こさないように、気づかれないように笑いながら、タオルケットを掛ける。

「……もう少ししたら、起こしに来るッスね」

 開かれた窓を少し閉めてから、部屋を出た。



end





5000Hits記念フリー小説だったものです。

どうやら私はこの二人、どちらかを眠らせるのが好きみたいです。
温かくてやんわりとした感じが出てればいいなーとか思っています。
ユリポエはほのぼのが一番です!!

2004/07/22